結局、財界の反対によって不十分な失業対策しか打てなかった結果、雇用情勢は悪化、失業問題は解決せず、社会不安は増大し、やがて職を得られない不安から若者たちを中心に左翼思想が広がり、日々の生活にすら困窮する人々が地方・都市を問わず溢れる中で、世直しの機運が盛り上がっていき、暴動やテロリズムが横行、それを鎮めるべく警察機構が強化され、戦時体制が確立されていく。1920~30年代に顕在化した失業問題はその大きな要因の一つとして存在している。

財界の人々の直感に基づく極論に配慮しすぎて情勢を著しく悪化させてしまった歴史がこの国にはある、ということと、新自由主義とかグローバリズムとかを待たずとも前世紀初頭の段階で現在とさほど変わらない経営者的労働倫理が存在していた、という二点を把握することで、現代の労働問題を少し視点を変えて歴史的に考える一助になるのではないかと思います。

“「体調悪いので午前休みます」→「良くならないので午後も休みます」って、現場側の労働力の見積ができなくなって混乱するので、変なところがんばらないで「今日は休みます」でいい”
“子どもの預け先もなく、就職先もない状態で「女性の社会進出のため、配偶者控除を廃止します。みんなフルタイムでガンガン働いてね!」って、どんなトンチだ”